2005-01-01から1年間の記事一覧

今何してるかといえば

さつま白波とかJACK DANIEL'SとかEARLY TIMESとか何でもかんでもお湯割りにしながら、つまみはSHOP99のキムチとファミマにさっき走って買いに行ってきた100円コーナーのピーナッツブロックチョコとソフトリングコーンチーズ味ですよ。そしてPRIDE男祭り見て…

絶望とユーモア

吉永嘉明『自殺されちゃった僕』を読む。最愛の人間に自殺を選ばれしまうという悲痛な経験が、もしユーモアで韜晦したスタイル以外で書かれているとしたら、とてもきつくて読み通せないか、読み通すことで読者の元気が奪われる陰鬱な本になってしまっている…

歴史の最後のほうのできごと 古い自動販売機で、消費期限を五年過ぎたコーラを買うのは私じゃなくソノちゃんだ。 電気の通ってない自販機から、ジュースをいくらでも手に入れるすごい技術がソノちゃんにはある。 私はというとゴムボートを骨の折れた日傘で漕…

真冬の乗り物 ぼくは先を急いでいた。目の前にならぶ橇のうちどちらに乗り込むべきか? 時間はもうあまりなかった。サイレンはすでに隣町まで追いつき恐竜のように唸りを振り撒いている。ぼくにはサイレンに顔があるようにその表情をありありと思い浮かべる…

誕生日

とても眠いのだけど図書館で借りた茂田真理子『タルホ/未来派』という本を今読んでたら今日は稲垣足穂の誕生日(1900年12月26日)だとわかったので日付が変る前に(足穂についての本の、足穂の誕生日についての記述を、足穂の誕生日に偶然読んだ)記念に寝…

買い物ブギ パパにもママにも知られずサイボーグ手術は無事完了。全身が映せる鏡に風呂上りの私がプラスチックのボディを公開してる。頑丈でたとえばタンクローリーに撥ねられた程度じゃ傷ひとつつかない、この愛しいボディ。もちろん今日一くんにだって手術…

弱虫の惑星 花嫁から下水道へざーざー血が流れていくところをぼくは目をかがやかせて録音してる。 ぼくの目のかがやきは心がからっぽになってる証拠だから勘違いしてドキドキしないで。 勘違いしてざーざー血が流れ込む先にすてきな国が待ってるだなんてまさ…

持ち物 あなたはあなたという人形を生まれたとき手に入れたのだから、捨てることもできる。

こわいということ

五年前に浅野さんとしたこの対談が読み返してみたらかなり面白い。当時もけっこう面白い話ができたという気がしてたけど誰かから面白い、と言われることがなくて時間がたつうちにそんな気がしてたことは忘れ去った。だがたまに思い出したように読み返してみ…

噂は値札のように ふわふわした鳥の羽根が集まった真赤な首巻きを、君は血を吐くみたいに背中を丸めてテーブルに置いたのだ。テーブルには他に金色の(でもAuの微塵も含まれない)腕時計や丸まった靴下なんかが無造作に載っていて、腕時計と靴下のあいだに…

ハロワカホリク 002

きみとなら穴でつながる俺なのさ 「時給は一万円です。あまりに少なすぎますかね?」 採用担当者が不安そうに眉をひそめて私の目を覗きこもうとした。 「本来なら二万円は貰いたいところだが…」私は咳払いをひとつ挟んでから話を続けた。相手の目は見ないの…

おわび

私のここに書く小説(のようなこれらのもの)がどれも作風がばらばらすぎて読みにくくて仕方ないのでは? 誰もがめんどうに感じて読むのをやめてしまうのでは? と心配しつつ自分ではどうすることもできないことがわかりました。私の病症です。私は自分でも…

言わないほうがいい

うつのみやさんがmixiで紹介されていた、作家・保坂和志の芸大での講義。 http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/12/post_2ad2.html 保坂氏の肉声のしゃべりはここで初めて聞いたのだけど、予想をはるかに上回って想像通りだったというか、あまりに…

village 山の斜面につぎつぎとあたらしく廃屋が建てられていく。 日本各地からかき集められた廃材(あばら家を解体したもの)を組み立てたいずれも人の住めない腐りかけたボロボロの家ばかりが。廃村という設定のオープンセットは、あり余る予算を湯水のよう…

愛と切貼

『オバケヤシキ―異形コレクション〈33〉 (光文社文庫)』に入っている大槻ケンヂ「ロコ、思うままに」を読んだ。大槻氏の小説は登場する人物やアイテムや設定などに既存の作品(作者自身によるものも含まれる)からの引用感がくっきりと現れているというか、…

私に注目せよ。

会ったことのない人が多いので緊張していた忘年会でふと気がつくと、目の前の人々がみんな私の話に耳を傾けている。私はこの人たちの注目を浴びている、私はこの場で今すごく期待を集めている。そう私はかなり進んだアルコールの作用によって信じ込むことが…

ぬけがら

買ったわけでもないのに、いつのまにか家の中に増えているボールペン。使いもしないのに無駄にたくさんあって、時には蛍光ペンとシャム双生児になってたり、横っ腹に会社名などが印字されてたりする、さまざまな安っぽいボールペンたち。 ふと今日ボールペン…

ハロワカホリク 001

足りないのは勇気だけじゃない きみはどことなく売女に似てる。うしろ姿ならジャングル・ジムにも見えるけど。きみのむこうに覗いてしまうこの国の現実が、埃っぽいクラクションまみれの道と道をかさねた×(ばってん)まみれでいる訳を、きみの口からぼくが…

最初から読むというルール

本を読みながら百円菓子の麦チョコをつまんでいたら少し気分が悪くなり(その前にアイスモナカも食べていた)、まもなく腹が下り始めそうな胃・腸ともに微妙な気配を体に感じながら今この文章を打っている。 読んでいた本はユリイカ2005年11月号 特集=文化系…

霧の坂道はくちぶえの中 バス停として道端に置かれているのは等身大の若い男の姿をしたマネキン人形である。停留所の名前はマネキンにつけられた名前(モデルになった人物から何の迷いもなく譲り受けられたもの)がそのまま使われているのでバス停らしくない…

活字

ユリイカを138ページまで読んだ。吉田アミ氏と未映子氏の書かれたものが読むのにわりかし苦痛(とは痛みでなくここではたわみに近いもの)をともなったのだけど、読んだことにいちばん嬉しさのあった文章で苦痛はそれに必要なものだと思えたところに、活字を…

食欲には何もやるな

今日(ではなくすでに昨日)ドン・キホーテで118円という安さで売っていたので買ったK社の野菜汁プラス果汁プラス乳酸菌飲料という、体によさそうな組み合わせのパステル調の緑色の飲み物(マスカット風味)を夕食(食パンにブルーベリー・ジャムを塗っ…

心のすさんだ人の書いた文章を読むと、内容に共感できるかできないかというのとはべつに確実に心がすさむので、それを読んで暗い気持ちになった理由が内容に共感あるいは反感をおぼえたことにあるのだと考えるのはよくある間違いであり、本当はただ、すさん…

いただきもの

鈴木有機さんより送っていただいた短歌誌「かばん」新人特集号Vol.4と、怪談大賞の受賞作が掲載されている「幽 2006年 第4号」がそれぞれ数日前と今日郵便受けに届いていた(一日中家にいたのにどちらもポストの鳴る音を聞かなかった気がする。ポストは玄関…

気が散る

ここ何日かは咳の通りみちとしてもっぱら酷使されてきた私だが、今では鼻水の通路というか隘路としても休みなく提供されまくっている状態にある。咳や鼻水の出口は書物を読んだりモノを考えたりする器官のすぐ近所にあるために、今読書したり文章を打つこと…

変化する中原昌也。id:ishmaelさんの日記に応答しつつ

http://d.hatena.ne.jp/ishmael/20051204 昨日書いた「初期中原昌也」というのは最初の作品集『マリ&フィフィの虐殺ソングブック (河出文庫―文芸コレクション)』を頂点とした、二冊目ですでにやや変質していく作風(があるとして)をほぼ指していたため、『…

短歌日記

捜された和服の人が地面から掘り出されてる小石とともに

風邪が治りかけになると咳が出始める、というのは普通のことかどうか知らないけど私にはよくある。今丁度そうなっていて喉がつねに敏感にぶるぶる震えており、ちょっと異物(というか呼吸で動く空気でも)が触れただけで全身で激しく咳き込んで異物を外に放…

切断と接続

ネットでは「切断」する身振りに追い風が吹くようになっていてその切断面の問答無用なアザヤカさが前提となり、つぎに切断されたものどうしの「接続」が祝福される。断面は断面のまま「接続」によって簡単に癒着を起こさないからこそ「接続」が多発し、つま…

wings

数ヶ月ぶりにご飯を炊いてみようと思い袋の底に残った無洗米を内釜に全部あけて水を張ると、細かいほこりのようなものがたくさん水に浮いたのでよく見たらほこりの一つ一つに羽がはえている。 以前部屋の中でゴマ粒ほどの茶色い虫が異常発生したことがあり、…