2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

歪みと実話

『幽霊物件案内―怪奇探偵のマル秘情報ファイル (ホラージャパネスク叢書)』などの小池壮彦氏が描く怪談実話は、ひとりの人間の視野の限界からくる見通しの悪さが恐怖の温床となっているところがある。それは個人のビジョンにつきものの歪みをあえて温存する…

花とチャック

今日は歌葉新人賞(ネットで公募され、BBSで公開討議、会場で公開選考される短歌の新人賞。今年第五回をもって終了)候補作の発表される日です。 三人の選考委員の先生のうち、正午を回った現在加藤治郎氏の選が公開されています。 http://www.sweetswan.com…

写すだけ。

ミクシィで最近書いた日記のうち本や映画の感想を、以下にいくつか転載。 絲山秋子『逃亡くそたわけ』を読んだ。うまくて、気持ちよく、おもしろい小説だった。 全体に作者のコントロールが行き届いているけど、頭の中で組み立てたという窮屈さはない。博多…

間取り図と神

部屋の間取り図というものが魅力的なのは、現実の部屋に対してはけして立つことのできない位置に見る者を立たせるからである。 それは一種の神の視点だが、そう呼ぶにはあまりに卑小な世界の俯瞰っぷりであり、まるで牢屋に閉じ込められた神の視点を思わせる…

恐怖映像

夏の風邪は不快感が体調のものか気候のものなのか、境目を見失うところがいやですね。日本中の不快指数が私の風邪のせいみたいに思えかねないところが。 (これからしようとしてる話と関係ないけど、日本列島はどことなく人体に似てる、北海道が頭みたい、な…

〆切られて。

日付変わって昨日はビーケーワン怪談大賞の〆切日でしたが、すべり込みで一本だけ送りました。 『茉莉花』。 今年はもう(スイッチ入れるのが)間に合わないなーとほぼ諦めていたものの、読み始めたばかりの超怖の最新刊がぎりぎりで(あっこんなとこにあっ…