2009-01-01から1年間の記事一覧

はじめて降りた駅

落雷でPCが破損し、一ヶ月以上ネットを離れている。数日の禁断症状を乗り越えると、この状態(ネットにおいそれとは繋げない毎日)が「正しい」状態だと感じるようになった。すると一日はちゃんと24時間あるし、本は読めるし、昨日と今日は違うし、私は私だし、…

文章について/モンタージュについて(Twitterより)

文章について ■ 2009年09月19日(土) 岡安恒武『湿原』読みちゅう。図書館にあった。 posted at 10:01:09 私は詩(現代詩)を独立した作品として読む読みかたがわからないので、ずっと続いてる文章の一部を切り取ったもの、のようにしか読めないんだけど、そ…

090819 ひざに載せたまま自動車学校になりそこねている交差点に夏草が繁る。向こう側が見えない。そう文句を垂れながら、ねじがゆるんだように立ち上がる私の影。影の喉元に深々と埋まるナイフの柄の浮き彫りを、誰かのゆびが離れることさえ寂しい夏がある。…

071216 港の見える丘で待ち合わせたのに、あなたが現れたのは煮納豆の煮えるおっ母だった。 目がさめるまではそれでいいと疑わなかった。 目がさめたらそれはなにもかも許しがたいことに変わっている。 私は煮納豆の煮えるおっ母公園の中心であなたを立って…

071129 道路が行き止まりだったから、新聞を読みはじめた。 行き止まりの先は有刺鉄線で、その先は巨人軍のキャンプだ。 ピラミッドのようなテントの群れ。 山火事のような焚き火。 読むのはもちろん読売新聞。 日本の未来への指針となるすばらしい意見が載…

071203 知り合ったときAV女優を辞めたがってたKちゃんは、今ではれっきとした殺し屋だ。使うのは専ら青龍刀で夜道で背後からいきなり襲うのが得意技。だが最近になって私は、実はKちゃんは誰からも殺しの依頼を受けてないのらしいのを知った。どこからも頼…

071209 髪の毛座、がどこにあるか知らないことがさいわいなのだ。 宇宙はいつもぐるぐる回っているから、気になる方角もぐるぐる変わり続ける。 宇宙酔いの世界へようこそという話になる。 髪の毛の下にある顔あたりが言いそうなことだ。

071201 他人のために何もしたくない。と思いながら寝ていると、夢に他人が現れた。他人の頭はくずれかけた積木のようだった。私は被害にあわぬよう道の端によけて歩いた。 それが気に入らなかったのか、他人は血相を変え私を追ってくる。 左右に頭を、ぶるん…

071126 実験用の猿だから安く売っていた。ペット用の半額以下だ。子供服を着せて連れ歩くと私は頭のおかしい女だと思われる。それは私が女装してるせいでもある。でもこれもひとつの実験だ。

近況

冷凍バナナを食べたら奥歯がじわじわ沁み続けて、虫歯なのかが心配。近況というか現況です。 以前ミクシィで書いて埋もれてたテキストを昨日からここに貼りはじめる。あと昨日はセルフ散髪して白髪の増加を確認。ここんとこ目にみえて増えてる勢い。 数日前…

071123 すくすく狂う。出だしを忘れた音楽みたいに、山奥の道なき道のほうへふれていく。林道がけもの道に、けもの以前の道にさかのぼり、人間の頭くらいある肌色のきのこに腰かけてしばらく休憩。 拳銃の銃口がこちらを向いたまま生活する。隠しカメラのよ…

071123_2 誤飲した硬貨が十万円に達したら手術を受けることになっている。という夢を子供の頃から見つづける。両親は見たことのない二人組みで、漫才師の夫婦に似ている。私がかれらに受け答えする関西弁は不自然だ。私はこの人たちの子供ではない。 私が気…

固有名詞の幽霊について(Twitterより)

文章を読んでて、そこに影も形もない固有名詞を読み取ってしまうことがある。あれは一種の幽霊だな。10:11 AM Jul 20th 読んでて、というかざっと眺めたときに固有名詞(おもに人名)を見つけて、改めて読んでみるとどこにもない。注意深くさがすとその固有…

間に合った

ビーケーワン怪談大賞ブログ http://blog.bk1.jp/kaidan/ 『蛾』/我妻俊樹 http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/010057.html 『薫』/我妻俊樹 http://blog.bk1.jp/kaidan/archives/010066.html 徹夜したよ!

090615 胸まであいたいやらしい靴を履きたがる女の子と、蝿がたかったキャンディーみたいな憂鬱持ちの男の子なら、どっちが大統領にふさわしい? 一日それで頭がいっぱいだったお蔭で何度もクラクションで起こされ、事務所に戻ると、バンパーが無疵で血痕ひ…

090614 出口のところであたまにのせる係の人がトイレに行っていたから、私だけずっと帽子がなかった。

てのひら怪談&怪談大賞

([か]2-2)てのひら怪談 己丑 (ポプラ文庫)作者: 加門七海,東雅夫,福澤徹三出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2009/06/10メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (8件) を見る文庫版第二弾発売されました。拙作も三つ収録。 母体になってるビーケ…

090530 展覧会はまだ始まっていないから、私は象に乗ることにした。階段があって矢印のついた看板が手すりに取り付けてある。「←アフリカ象」と黄色いペンキの文字。私は踏むたびにきしむ板を順番に踏んでのぼっていった。景色がひらけて林のむこうに町が見…

090321 鳥を帽子のようにかぶることがその通りでは流行った。耐えられないにおいになるまでかぶり続けたあと、公園の地面に埋めにくる人々の列がある。だが不思議な病気がきっかり通りの長さだけ流行り、しだいに公園は住人の墓地に塗り替えられていくのだっ…

「喜劇 眼の前旅館」より転載。 アンナ・カヴァン『氷』読了。何かうまくいえないよさのある小説だと思う。こういう抽象的というか、比喩に流れがちでユーモアのない文章は本来好みじゃないけど、それが美的なほうには向かわず、何か朦朧とした霧のような中…

ゼロ年代って今年で終わりなのか

つい最近、具体的にはここ一週間ほどで今が「ゼロ年代」なんだと知った私でしたが、うかつにも今年までとは気づかなかった。2009、ってほらゼロがいっぱいあるからまだまだだと思っていた。最初のゼロ二つは無視なのか。そりゃそうだ! だからもう遅いので、…

ニックとグリマング

フィリップ・K・ディック『ニックとグリマング』を読了。ディックが残した唯一のジュブナイル作品とのことだが、フィリップ・K・ディックという作家のSF小説としてみればぶっ壊れてる部分にあらわれがちな魅力が、ファンタジーの枠の中でのびのびと発揮さ…

抱負的な

年の初めは一年に呪いをかけることができるので、せっかくだから。 今年は、自分にとって本当に面白いものだけ書くようにしたい。人の評価を気にすると、外在的な枠にどう自分を合わせるかが重要になる。そこ(枠)が審査が行われてる現場だから。 すると枠か…