私たちは相談の途中でどちらも少しずつ長い眠りを眠った。すると眠りの中を建設中の高速道路の橋脚がよぎっている。見通しのいい沼地に左右の先はともに果てるところが見えないが、私の小舟は橋脚の隙間を流されてしだいに遠ざかっていくので、あれは眠りの外に向かうことのない道路なのだろう。それが完成したとき行き交うのは誰を乗せた車なのかと思うと頭の中で遠くのサイレンを聞く心地がする。あなたもまた目が覚めたとき同じ感想を語ったが、私たちは互いの舟を見かけなかったから今日の相談ははるかな平行線をえがいているのだとわかる。それともどちらかが先にたどりついた結論で相手を待っているのだろうか。瞼はまだ重い。