階段に踏み忘れてきた段がある気がして寝付けなかった。 いつのまにか頂上に立ち、ほかとは色の違うその部分を見おろしている。 みっしりそこにだけ生えた草が揺れている。
窓に人の気配がないので取り壊すのかと思っていた。 十年がたち、ガラスは割れ荒れ果てた室内が覗くけど、今もときどき社名が入れ替わっている。 誰も出ない電話が鳴っている。
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