2007-11-14から1日間の記事一覧

ある朝隣家に通夜が明けたところへ、回覧板を届けにいくと留守だった。無用心にも開け放った玄関から死人の寝る部屋が覗き、電話のベルが切れては鳴るを繰り返している。

お遣い

弟子の円枢閣が重箱一杯に人骨を抱えて帰ってきたので、赤飯を買いに行ったのではないかと質すと、途中墓場で交換して参りましたという。骨はいずれも短い小児のものだった。

通院

ボタンをまばらに留めたシャツの男が、隙間から長い草を垂らし億劫そうに病院に入っていった。それを見ていた主婦が噂話を始めたのを聞くに、男はかつて庭師だったという。