ブルーな渦と階段と、その先に垂れる蠅取り紙なんまいも

夏はほっとくと暑いのでじたばたしがちですが、私はなるべくじっとしています。周囲との皮膚の摩擦を最小限に抑え、自分からよけいな熱が出ないように、部屋の空気と同化するようにつとめるのが私のこの正念場の乗り切り方ですから、おっと蝉が木から落ちた、そうなるわけです。
ところで果報はうかつに寝て待ったりなんかしてると、果報が届いたと思ったら目が醒めて夢でした、とがっかりしたりしそうで仕方ないので、やはり起きて待つのがいいし、寝るときはもう何かを待ったりせずひたすら寝るだけの方がすごく健康にいい、と今日も思います。
今年で参加するのは三回目となりました、ビーケーワン怪談大賞で佳作をちょうだいしました。
http://www.bk1.jp/contents/kaidan/kaidan5_01
我妻俊樹というのが私のペンネームです。おととし大賞をちょうだいしたものの去年は入賞を逃しておりますから、おととしのあれは偶然というか、何かのまちがいというか、運命のいたずらだったとしても、いたずらが二度起こせるならそれもまた何かの才能のようなもの欠片が私にもあるのでは?と、起きて待ちすぎて寝不足の頭がうっかり考えてしまったとしても、許してくれる神様はどこかにいるのではないか。というようなことを扇風機に向かって独り言でいって遊んでいると、そのすきに果報は届くこともあるということですから、夏だからって、たんに暑いばかりではありません。
しかしながら「短歌研究」というところの新人賞に応募したところの短歌は、わたくしの才能の不足を正確に反映してふつうに落選となりましたので、見せしめにしておきます。
http://blog.goo.ne.jp/ggippss/e/c4168e9e2c5d0de4ddc21916554e7528
このように天から降ってくる○と×と(あるいは△や□や☆などなど)の数々によりまして、おのずと人の足あとの消える方角は決まってくるのでしょう、それは、自分ふぜいでえらぶものではありません。
蝉は玄関を出たところのコンクリのうえに仰向けに、落ちております。夜とか、知らずに踏んだらいやですから踏まないように、明るいうち遠くのほうに蹴っ飛ばしておきましょう。もうからっぽになっています蝉は、じたばたせず、コンクリの上をすべっていきます。じつによくすべるのです。