071123

すくすく狂う。出だしを忘れた音楽みたいに、山奥の道なき道のほうへふれていく。林道がけもの道に、けもの以前の道にさかのぼり、人間の頭くらいある肌色のきのこに腰かけてしばらく休憩。


拳銃の銃口がこちらを向いたまま生活する。隠しカメラのようにそれは向けられている。どこにでもついてくる。つねに死角にある。鏡に映らない。かちっという音がして目ざめる。今度も空弾だ。肌色のきのこを枕にしていた。


きのこはゆうべよりひと回り大きくなっている。私は寝違えた。