短歌日記

 わたしはいわゆる文語で短歌をつくる気は全然(というほどではないが、基本的に)ないけど、文語短歌については多少は知っておいたほうがいいかもしれないなあ、とも思う。それは口語で短歌をつくることが、文語とくらべて自由で簡単だと勘違いしないためで、口語はむしろハンデであり不自由な条件なのだと忘れないためだ。
 でも一方では、ただひたすら口語の自由を邁進して、定型の不自由と衝突させ続ければいいんではないかという気もする。口語短歌が不自由であり本来口語が短歌に向かないというのも、文語と比較して相対的にいえることであり、そういう相対的な不自由さではない絶対的な不自由が言葉にはそもそもあるはずで、それとくらべたら短歌定型でさえ相対的な不自由に過ぎず、まあとにかく絶対的な不自由につきあたるまで口語を目一杯つかいきることがずっと大事じゃないかともいえる。
 大事だとは思いつつ、ぜんぜんそんなことはやれてないし、やろうという体勢もとれていない、のだか。

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