匂う日

 今日はなぜかうちにいるとどこからか生ゴミの匂いがただよってくるのだが、匂いがするのはどうやら生ゴミのあるはずの方向からでないことがうすうす分かるので、私が生ゴミをゴミの日まで保管している場所(台所にあるゴミ袋)以外の場所で知らぬ間に生ゴミ化した生モノがあるのかもしれないと考えてみると、しかもそれは台所以外の場所でなのだから食物でさえないのかもしれず、考えるだにとても面倒なことになりそうなのでそうは考えないことにしておき、きっと外から近所の生ゴミの匂いが流れ込むのだろう(外に出ると匂わないが)とか、本当は台所で匂っているのに別方向から匂うように錯覚するのだ(一体どんな理由で?)とか自分をかるく納得させておいて、その仮縫いみたいな納得がほつれだすまえに肝心の匂いが消え去ってくれればもう本当はこの部屋で何が匂っていたかなんて一生考えることはないはずなのだ。