顔に迷路

 街にあふれる色とりどりの肌の人たちの顔にそれぞれ迷路への入口があいている。これを(1)すべての顔は唯一の同じ迷路への複数の入口である か(2)すべての顔は複数の異なる迷路へのそれぞれ唯一の入口である かで揉めた挙句(3)複数の迷路は潜在的に唯一の迷路に統合される可能性を有し、唯一の迷路は同時に複数の迷路を包含している とする立場から続けて(4)すべての顔は唯一の同じ顔であるが私の顔は無数にある という結論に持ち込まれたため私は私や私とひとまず和解したらしく、どうりでぐっすり眠ることができるわけだ。