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それは義務であり妄執
首斬りセンターに運び込まれた巨人化した少女(三階の高さに達している)の実母は、娘の首を自宅に持ち帰ることをかたくなに拒んだ。
それでなのかどうか、所長はドラム缶ほどある少女の頭を転がしながら廊下を走る。
途中すれ違いきれない陰気な掃除夫や台車を押した納品業者が転がる首を跳び越えた。
だが走る所長は廊下を曲がりきれず窓に突進、そのままガラスの破片とともに墜落する。
ここは九階だったのだ。
少女の頭は窓枠に捕らえられてはねかえり、ふたたび廊下を逆方向に転がり出した。今度は誰もコントロールする者がいない為まるで首自身に意思があるかに見える。
掃除夫がバケツを持ったまま轢かれて足を折った。
納品業者が台車ごと撥ねられて肩を脱臼した。
その頃所長は? 九階の高さから降るガラスと所長を、さして軟らかくもない地面が待ち受けている。
巨人化した少女3人分の高さだ。
地面に首から順に折りたたまれる直前そう叫んだ。
首斬りセンター地下売店でもっとも売れ残る商品は柴犬である。