体内時計の夏
短針がハートに突きつけているあいだ長針がその他臓腑をひとつごと示し、秒針がそれらを景気よく順番に刎ね落としてまわるだろう、神よ。よく灼けたアスファルトにきみの五臓六腑が出そろうまでの時間わずかに十一分。
某工場長
まがりくねることをやめない排水管が朝っぱらからSOSをいくつも外壁にこしらえていくのを彼は見逃さなかった。ごくつぶしの工員たちがのろのろ起き出してくる時刻までにあれを全部片付けるのがはてしない彼の日課なのだ。
今日の一首
転がってきたのはキャベツ 坂道で手をふる君が「読んで」と言った