ノック

踏み外されたあとも階段は二階へとつづいていった。
悪い母親はぶざまにひとり一階へ転げ落ちていった。
二階へたどり着くと階段は、まっすぐに廊下を進んでぼくの部屋の前に立つ。
ラジオの音量を下げてぼくは耳をそばだてた。
階段はドアの外でまだ息を殺している。