2005-09-17 ■ fiction fiction 思い出の一例 屋根のうえで赤いランプがぴかぴか回りつづけるお部屋だった。 素肌に包帯だけ身につけてる友だちが、夜の静けさにまぎれてよく眠ってる。 きみのにおいにいかれちゃった犬がよだれ垂らしてしっぽ振りながらついてきた。 夜の半分が終って。 猛スピードでふりきるとき赤信号の先にあるのはカラフルで陰気な河。 波がつぎつぎと悲鳴あげて飛びのくのを聞いてぼくは久々に大うけだったよ。 夜の半分が終って。 この愉しさはきっとどこかまちがってる、そうたちまち気づかずにいられなかった。