2007-03-02 旅行者 オヤユビ怪談 味が思い出せぬまま金は払った。案外に安い。 路地から見上げれば屋号に「肘」を意味する名詞のみ辛うじて読める。 砂埃が吹きつけると背広の右袖が旗のようにゆらりと揺れた。