なにごともなかったようにふたたび書きはじめる。そしていきなり宣伝をしますが宣伝のために再開したのではなく、何がということもなく文章がなんとなく書きたいときに書ける場所をあけておく、部屋の鍵をあけておく、ようなつもりで二年八ヶ月ぶりに窓あけて空気入れ替えるつもりで書いているのです。
さいきん、本を出しました。

実話怪談覚書 忌之刻 (竹書房ホラー文庫)

実話怪談覚書 忌之刻 (竹書房ホラー文庫)

急に再開したここをいま誰が見ているのか、その中に怪談が好きな人がどれくらいいるか分かりませんが怪談の本です。でもいわゆるコアな怪談好きの人以外にもわりといける本ではないかと著者の私(拙著の著者、を略してうっかり拙者と名乗りそうな気分でしたが)は思いますので、本人で恐縮ですがオススメしておきたいと思います。日常の隙間にパシャッとシャッターを切ったような四十五篇。竹書房ホラー文庫より、平山夢明さん監修によるFKBシリーズの一冊として刊行されております。


そして宣伝しているうちに最初になにを書こうとしていたのかを忘れました。もとよりたいしたことではないはずなので思い出す努力はせず、まるで宣伝のために再開したかのようなムードが消えないまま、ひとまず鍵は開いた。