2003-10-16から1日間の記事一覧

短歌日記/連作のこと

散文が直線的だとすると、短歌は循環的だという直感がひとまずあるので、各々の歌がリニアな物語の時間を分割してそれぞれ部分的に担当するみたいな連作は、ただの散文の代用品に思える。そうじゃなくて、短歌の時間はそれぞれの歌の内部で循環しているのだ…

短歌日記/非現実のこと

スカートの影のなかなる階段をひそやかな音たてて降りゆく 大滝和子 この歌はなぜいいのか。この歌はめまいがするほど非現実的だ。だがきわめて現実的、写実的でもある。現実の光景としてわかりやすく構成し直せば、スカートをはいた主人公がいて、階段を「…