短歌日記
- 新人賞
第二回歌葉新人賞の候補にどうやら残れたらしい。このリアルタイム・スペース(公開選考用のBBS)で発表されているタイトルのうち、「ニセ宇宙」というのが私の作品。
自分のつくった短歌が、ウエブ歌会など「半ば義務として感想を言い合う」場以外で評価されるのは初めてで、とてもうれしい。自分では「うーん傑作じゃないのこれ?」などとうっとりして送った短歌が、プロの読みにどこまで耐えられるか。(ガチンコ試合に出るプロレスラーを見守るような気分で。)
- 旧作二首
眼をあけばテストパターンに囲まれて排水溝の水の歌声
白地図を指紋に埋めて黙秘する友達百人マイナス百人
どちらも短歌をつくりはじめた頃の作、と思われる。技術面は別として、今と作風が大して変わらないような気もするが、今ではほとんどつくらないタイプの短歌にも思える。それは発想の質に若干変化があるのか、それとも発想したとたんに今ではボツにしてしまうタイプの発想、なのか。というか今でもこれが自分の作風だ、といえるようなものは特になくて、その時々で傾向が変わるし、傾向が変わったとたんちょっと前につくった自作がみんなダメなものに見えてくる。しばらく経つとまたいいもののように思えたり。そういう自分の批評眼の揺れにあまり影響されず、いつ読んでも同じように安定して読める作品が、うまく手離れした作品なのだろう。今回歌葉に応募した作品は、そういう短歌をおもに選んだ。