短歌日記/首をはねろ

短歌はざっくりと切断するところがいいんだと思う。たとえ連作であっても一首ごとに世界の首をはねていくような徹底した切断感のないものはまるで読む気がしない。中途半端に首の皮をつなげることで連作として成り立たせようという考えは貧乏性でせこい。だが世界の息の根を止めにいった一首のあとにはたしてどんなつぎの一首が置かれればよいのか?

  • 一人死ねば一つ小唄が殖えるのみサボテン唸り咲きてよき町  寺山修司