短歌日記

題詠マラソン2004 、3/27までの投稿分。()内はお題。

投げるのはやめて積んでることにした蜜柑の山が早晩おそう (015:蜜柑)
気がつけば乱暴者に慣れていく ひたいから血をたらして照れる (016:乱)
めずらしい免許のせいで地球から追われる夢をみた千回も (017:免許)
法螺貝のロビーに昼の十二時がしのびよる(あなた、山伏ですよ) (018:ロビー)
沸いたのをかくしておいた風呂に又だれかバスロマン入れたでしょう (019:沸)
破産した遊園地ごと密林の島をひきずってゆく出口へ (020:遊)
胃ぐすりは効かないものと決めつける砂丘って夜歩かないけど (021:胃)
まばたきは上野―御徒町間で夜の破片をちらかす ふたり (022:上野)
手に負えぬ希望が春に蔓延っていてうっかりと破滅しそうだ (023:望)
呪われた地区です違反駐車には毛が生えますとミニ・パトカーが (024:ミニ)
なべて死に例外なしと言いかけて言わず怪談会をはじめる (025:怪談)
明け方の宅配便で起こされる ひろげれば遠く湯気たつ芝生 (026:芝)
鍵穴をくちびるに持つドアとして天国に立つ諦めながら (027:天国)
死んだことない人ばかり死ぬでしょう ほほえむ人の着衣にみだれ (028:着) 
眠れないことと火星で鳴りやまぬ太鼓は無関係ですか先生 (029:太鼓)
捨て台詞ばかりを叫ぶ鸚鵡にはかつて非運な飼い主がいた (030:捨て台詞)

どれがどうかは言わないが出来のバラツキがやはり気になる。あと推敲してよくなるのは超ブサイクが整形して普通のブサイクになるようなもので、推敲しなくちゃならない時点でたいがいの歌はすでにアウトなのだと思う。