世界には果てがある

世界には果てがある。思いもよらぬほど間近にそれはあるらしい。
あなたがどこまでも無限に歩いてゆけるような気がするのは、あなたの歩みとともに世界の果てもまたどこまでも横にずれ続けていくからにすぎない。
はるか遠くにあるように見えているものはすべて、世界の果ての壁にうつしだされた影であり、幻であり、世界(であるとあなたが信じているもの)の大半はそのような影、幻である。
あなた自身が世界の果ての投影のひとつである可能性も考えなければならない。あなたの全身をおおう皮膚こそが世界の果てにある壁かもしれない。
(ただし、その壁を外から眺めているあなたの視線はどこから来るのか?)