不惑

今日から四十代である。びっくりだ。
三十代の十年はほとんど十年の体をなしてないというか、こんなものが十年なら、その七倍か八倍生きたところで小学生のけつに毛が生える程度のことしか起きないと思う。
それくらい軽くすることに腐心してきたから乗り切れた十年だったかもしれない。だがこんなに見通しのいい空白を人生の中に持ってしまってよいものだろうか。
この十年の中で起きたことは、どれもほとんど区別がつかない。それはひとつ前の十年との大きな違いだ。
どんな出来事も単独で起こるようになり、とある出来事がその後のあらゆる出来事に影響を与える、ということがほぼなくなった。
この状態を続けてもろくなことにはならないだろう。