090819

ひざに載せたまま自動車学校になりそこねている交差点に夏草が繁る。向こう側が見えない。そう文句を垂れながら、ねじがゆるんだように立ち上がる私の影。影の喉元に深々と埋まるナイフの柄の浮き彫りを、誰かのゆびが離れることさえ寂しい夏がある。私と夏は同時にひとつの名前で呼ばれるべきである。