2003-08-17から1日間の記事一覧

比喩の限界

「顔から火が出る」という表現がある。 なぜ顔から火など出てないのに「火が出る」と言い切ってしまってよいのか。 言い切ってしまって通用するのか。といえば、それは人が「顔から火が出る」ような場面に身を置いたとき、たしかに「顔から火が出る」ような…

短歌日記

たとえば キャンパスは跡形もなく薄日さす隕石口をわたる黄揚羽この一首。最近つくったものだがいかにも「短歌的」にまとめようとしている魂胆が見えて見苦しい。自分の知っている「短歌」(ってこういうものだったよなあ確か……という貧困なイメージ)にひた…

短歌日記

死の日よりさかさに時をきざみつつつひに今には到らぬ時計 寺山修司 めざせ秘宝館 寺山修司の歌集『田園に死す』には、「架空の青森の因習と寺山家の歴史を再現した秘宝館」とでもいうべき箱庭的世界観がある。それが短歌本来の箱庭性とぴったり一致し、ひと…