間取り図と神

部屋の間取り図というものが魅力的なのは、現実の部屋に対してはけして立つことのできない位置に見る者を立たせるからである。
それは一種の神の視点だが、そう呼ぶにはあまりに卑小な世界の俯瞰っぷりであり、まるで牢屋に閉じ込められた神の視点を思わせる。
間取り図に限らず箱庭的なものはつねにこの視点とともに欲望されるのだろう。
すなわち、神として自ら支配する牢屋に閉じ込められることへの欲望である。