090321

鳥を帽子のようにかぶることがその通りでは流行った。耐えられないにおいになるまでかぶり続けたあと、公園の地面に埋めにくる人々の列がある。だが不思議な病気がきっかり通りの長さだけ流行り、しだいに公園は住人の墓地に塗り替えられていくのだった。遊具は取り払われて墓碑がわりに部品を半ば埋めて並ばせた地面。その残りのわずかを私に残しておくために甥と姪はゆうべから交代で見張りに立っている。思えば、鳥の寿命のことを私たちはいちども真剣に考えたことがなかった。鳥は、すべて鳥病という病にかかっているので空をあんなにふりまわされたあげく、叩きつけられるようにして短命だったのだ。私は腕時計を何度もみる。子供たちはくちぶえで夜闇をひっかき続け、おそろしい仕事からの解放の瞬間をしきりに今かと急かしていた。私は心の底から、働き者のあのかわいい者たちに、四軒のしずまりかえった屋根越しに同情するのだ。