2003-01-01から1年間の記事一覧

短歌日記

死の日よりさかさに時をきざみつつつひに今には到らぬ時計 寺山修司 めざせ秘宝館 寺山修司の歌集『田園に死す』には、「架空の青森の因習と寺山家の歴史を再現した秘宝館」とでもいうべき箱庭的世界観がある。それが短歌本来の箱庭性とぴったり一致し、ひと…

短歌日記

新人賞 第二回歌葉新人賞の候補にどうやら残れたらしい。このリアルタイム・スペース(公開選考用のBBS)で発表されているタイトルのうち、「ニセ宇宙」というのが私の作品。 自分のつくった短歌が、ウエブ歌会など「半ば義務として感想を言い合う」場以…

短歌日記

牛小舎にいま幻の会議消え青年ら消え陽の炎ゆる藁 寺山修司 私の知っている短歌の中で一番好きな短歌。 短歌という箱庭空間を劇場と化し、そこに「幻の会議」を出現させたとたんに消し去って、あとには「陽の炎ゆる藁」だけを残すあざやかで夢のような寸劇(…

短歌ノート

われら 昨日の短歌の「われら」が「ぼくら」や「かれら」であってはいけない理由が思いつかない。「ぼくら」「かれら」どちらにも欠点はありそうだが、同じくらいの欠点なら「われら」にもあると思う。 こういう場合「どれにしてもいい」とは言えなくて、「…

短歌日記

轢死したカエルの言葉ある日ふと低く聞こえる雨のオフィスに

小説ノート

小説が動く 小説を最後まで完成させるために必要なのは、書きつつある小説をつねに自分で制御できるものにしておくこと。つまり自分の手に余るようなものは書かないことだが、それは初期設定(自分に書きやすい題材やキャラクターにする)の段階だけでなく、…

短歌ノート

箱庭 短歌は箱庭であると考える。限界のはっきりした空間に日本語(原則として)をレイアウトするのが短歌。この貧しさをまず自覚する。一生懸命辞書を引いてめずらしい言葉を見つけてきても、この貧しさを逃れることはできない。自分を錯覚させる効果しかな…

短歌日記

蝉時雨われらのひそひそ話から笑いが消えてなお蝉時雨

思い出地獄

おもに短歌と小説の練習のための日記です。というつもりで今日から始めます。 今までに私のつくった短歌は http://www.everydiary.com/diary.php?Name=ggippss にあります。 小説は http://cat.zero.ad.jp/gips/ から見れるページのあちこちに。