2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌日記

きみがめざめているあいだ、きみのゆめは だれもみているひとがいないから どんなにひどいことがおきても(ひとがしんだり) だれにももんくはいえないし なにがおきたのか、しることさえできないのだ ゆめで * さわがしくリボンを飾る ドレスからつぎのドレ…

短歌日記

題詠マラソン2004 、6/19までの投稿分。()内はお題。 071:追 みえないもの目で追うつもり点線が白昼まちを這い回るんだ 072:海老 心臓で海老を茹でます親方 さあ親方 四股でもふみますか 073:廊 逃れないあなたになったおめでとう朝までつづく廊下おめでと…

ドゥザライトシング

牛丼太郎で牛丼大盛りをたべた。350円(並は250円)。すきやきの終ったなべの底から厳選して集めた感じの肉がたっぷり盛られてこの安さ! 「ぼくって意外と右なんだって最近気づきましたよ」と語るさだまさしに「あんたなんて昔から右翼だろ!」と説教すると…

上の

短歌はぜんぶちょっとまえに寺山修司(「田園に死す」のという設定)の「なりきり」でつくってみたもの。がんばった痕はみえるとおもう。

短歌日記

未だわれを産まざりし母老い続けみづからの死に間に合はぬ 産 独身の父聴きしてふレコードの溝ほどかれて途となるらむ ポケットに死蝶集めし少女ゆゑ亡き姉に似ゆうすき眉毛の 墓場村字ものぐるひ夏たけて故郷捨てたる者らみな病む あかつきの鉄路にわれを捨…

さいきん買った本とか

『映画の授業 映画美学校の教室から』黒沢清ほか 『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね』岡崎京子 『ソフトマシーン』W・バロウズ/山形浩生・柳下毅一郎訳 なんと全部新品である。ブックオフにない本も読むのだ。 あと柴崎友香『次の町まで、きみはどん…

ロバート・ミッチャム(ナイフ)VSリリアン・ギッシュ(ライフル)

さっきビデオで見たチャールズ・ロートンの「狩人の夜」がすごかったことについて書きたかったけど「下妻物語」の感想書くのに二時間以上かかったのでもうガス切れ。なのでかんたんにいうとものすごい密度の悪夢みたいな映画で、おそろしくておもしろくてた…

「下妻物語」中島哲也監督

ヤンキー高校生役の土屋アンナが回想シーンで中学時代を演じるとほんとうに中学生にしか見えない。深田恭子よりずっと年下なのかと思ってたら二十歳くらいだと知っておどろいた。表情が顔から大きくはみだすような土屋の顔と、表情がつねに顔にのみこまれて…

まるまってしまう昆虫 図書券と交換できる花をつむとき

果てについて

物語の果てと世界の果てはぴったり一致するのが理想的だ。物語の幕がおりたあとの登場人物の人生など、何ひとつ想像できないのが望ましい。

シラフになる

というわけで小説を「書いてもそのこと隠せない人」である私は、文学賞にもたびたび応募してしまうほど「隠せない人」なのだが、応募作を〆切り直前やすでに原稿を投函したあとで読み返しながら、私は毎回飽きもせず同じように新鮮に愕然とするのである。 こ…

さいきん見たビデオ

「平原児」ドン・シーゲル、「実録阿部定」田中登、「D坂の殺人事件」実相寺昭雄、「スペースインベーダー」トビー・フーパー、「万事快調」ゴダール、「呪怨2(ビデオ版)」清水崇、「気のいい女たち」シャブロル、「ヒンデンブルグ」ロバート・ワイズ、…

隠せない人

日記を書きやすくするにはトーンを落とすことだと気づいたので落とす、トーンを。低きに流れる感じで。 チェーホフの「ヨーヌィチ」という短篇を読んだらこんな一節があった。 『無能だというのは』と彼は考えるのだった、『小説の書けない人のことではない…

かびである

前々から気になってはいたが見ないようにしていた現実を今日直視してみた。 押入れやテレビ台のなかに詰め込まれたビデオテープにはえたカビである。ほとんどが映画の録画されている数十本のテープであるが、一部にカビがはえていることは以前から気づいてい…

爆弾なのか(短歌日記)

穂村弘『短歌という爆弾』は、短歌が誰にでもつくれるという身も蓋もない事実をあざやかに暴露しながら、誰もが短歌をつくれるようになってしまう世界、に対する悪意ある表情を欠くという点で罪深い本である。こんなみごとなマニュアルが書けてしまう才能は…